花と星の手帖

フィトテラピー、香り、星、数、カード、神秘的だなと思うものについて書き留めるブログです。

少年少女講談社文庫『星ものがたり』『花ものがたり』②

少年少女講談社文庫について書いた①に続いて、今回は『星ものがたり』のことを書きます。

この本は少年少女講談社文庫のうち「科学・記録となぞなぞ」シリーズに収められた昭和50年(1975年)第1刷発行の本です。

ところで「科学・記録」に「なぞなぞ」が合わせられるというのがおもしろいなと思いました。謎を解き明かす、というところが共通点なのかな、と思ったり。
なお、当シリーズの他の本については前回記事(少年少女講談社文庫『星ものがたり』『花ものがたり』①)の写真に詳しいです。


著者は石田五郎さん。ウィキペディアによれば、日本の天文学者であり文筆家、そして理学博士の方。

今でも覚えていますが、この作者名を本のカバーに見た時、子ども心になんとなく硬い響きの名前で怖い、と思ったものです。

でも、本の中で出会う文体はいたってやさしいのですが。

それからもう一つ、この本で怖い、と思ったのがイラストでした。

筋肉隆々な肢体自体がすでに怖かった

7~8歳当時のわたしにとって、このおどろおどろしい神話の世界を描いたイラストは恐怖の対象でした。

特に、人の顔。

普段からまんがをよく読んでいましたが、少女まんがには決して現れない形相です。
この「厳しい」感じが怖かったのです。

本の一番最後、奥付のすぐ隣にイラストレーターの名前がありました。
熊谷溢夫さん。
東京でイラストやデザインの仕事をした後、中米、東南アジアの旅へ。
その後は石垣島に移住して八重山の自然を描き続けたそうですが、ネット上の情報をつなぐと、2020年9月時点では竹富島で息子さん夫婦の型染工房で型作りのお手伝いもされていたようでした。

さらに、イラスト集も出版されています。
タイトルは『美しい自然があるからみんな元気で生きられる。』。

本当に、そうですよね。

 

さて本題に戻り、『星ものがたり』は6つの章で構成されています。

  1. 星の冒険とロマンス
  2. 天の川と七夕祭り
  3. 北斗七星と北極星のお話
  4. 星の世界
  5. 星うらないのお話
  6. うつりかわる四季の星座

今あらためて思えば、文系的な内容と理系的な内容がバランスよく詰まっているんですよね。

理系な第4章「星の世界」より

でも、子どものころに読んだ時は科学的な内容には関心を寄せなかったのを覚えています。その後、完全文系人間に成長していきますが、やっぱり子どものころから好きなものというのはそうそう変わらないものなのでしょうかね。

別ページには十二宮の人体支配図も

それぞれの星とそれに与えられたイメージについて想像を膨らませるのが好きな子どもでした。

次回に書く『花ものがたり』の方がお気に入りだったのは、理系的解説なしに神話や伝説のみ収められていた本だったから、かも知れません。